さて、好評いただいている、業界のウラ話シリーズ。
今回お話を聞いて来たのは40歳の男性美容師、タカさん(仮名)。
茶髪でカールした髪に、ヒゲを生やし、今ドキのおしゃれなメガネを掛けたちょいワル系。
腕までまくったワイシャツもいい感じに決まってます。
京都郊外で美容室をすでに2店舗経営。
そして私生活では奥様と小学生の娘さんを持つ家庭人。
当初ゲスなウラ話をたくさん聞こうと思っていたのですが、経営者なだけあって意識高い系へと話が進み、大変有意義な時間となりました。
・美容師が語るモテるための秘訣
・店舗経営者が語る、成功哲学
異性にも、お金にもモテたい人。必見です。
美容師はモテる? 気になる恋愛事情
「美容師ってモテますか?」
「まあ、モテるやろうね。俺なんか女性の友達多いから、もういっつも『女の子と一緒に街歩いてますね?』って言われるよ。だからどうしたん? って感じ(笑)」
「そうですよね、人類の半分は女性ですのにね。いちいち言ってくるなと。○○○している現場を押さえてから批難してくれって感じですよね」
「そうやな(笑)。うちは女性客7割、男性客3割って感じだから、女性のカワイイって要素を研究して、なるべく取り入れるようにしてる。それには女性に聞くのが一番だからね」
「女子がいう『カワイイ』……。男性にはイマイチ理解できない場面も」
「20代女子と、30代でカワイイ、キレイの考え方が違うからね。日々勉強だよ。時代によっても変わるし、だから女性スタッフも若い子を定期的に採用するようにしてる」
「それって、単なるタカさんの趣味では?」
「ちがうわ(笑)。俺はもう女遊びには興味がないの」
「そうですか……まあ、そういうことにしときましょう」
女性よりも女性らしくあれ!
「女性にウケる美容師になりたかったら、『女性よりもさらにオンナらしくあれ!』やな」
「カワイイという要素を研究しつづけるということですな。例えば、どんな風にしてますか?」
「女性ファッション誌にはかなり目を通してるね。男性誌よりも女性誌読んでるほうが楽しいかもしれん(笑)」
「あっ、それわかります。コーディネート特集で彼氏できちゃったとか、読者のセキララ投稿ページとか読むの楽しいっす!」
「せやろ(笑)あとは来店する女性客の持ち物をよく観察してる。いいと思ったらすかさず褒めるね!」
「おおっ! 褒める。なるほど」
「まず、褒めるね。そんでドコで買ったのとか、どういう風に探したのとかで会話が弾むし、情報も仕入れられる」
「すごい! 日常の仕事がバッチリ勉強になってるんですね」
「日本男子は褒めるのがニガテやからなあ……。その点、オレらは有利に立てるよ」
「ギクッ! 最近嫁ちゃんをあんまり褒めてないや。さっそく実践せねば……」
「女子はわかってくれる人、共感してくれる人が好きやからなあ。うたのくんもちゃんとしとかなあかんで(笑)」
「そっかあ……。まあ、ハダカで美容室に来る人はいませんもんね。みんな何かしら上着とかスカートとか、アクセサリーやカバンとか身につけてるから。そこでタカさんがオンナを磨くチャンスがあると」
「そうそう。女性よりも女性らしく。だから、男の美容師はモテる人多いと思うよ。生き残ってる人はだいたいモテてるわ」
女性の美容師は恋愛に恵まれない?
「逆に女性の美容師ってモテます?」
「うーん、女性の美容師は、なんか男運に恵まれない気がするね」
「えーっ、何でですか? おしゃれだし、明るい人多そうだし、モテそうなイメージが」
「まず休みが不規則だから、出会いがないんだよな。付き合っても休みが合わないよな」
「看護師さんもおんなじこと言ってました」
「あとはね。接客中に楽しそうに話しかけたりしてるから男性客から言い寄られる場合もあるんだけど、まあコッチも客商売だから愛想よくしてるケースもあるやん。そこを勘違いされたりとかね」
「ああ……。なんかキャバ嬢みたいですね」
「そこで消耗しちゃって、結局お客さんも離れちゃって……みたいのもあるからね。男の美容師はその辺割り切って上手くあしらう人多いけどね」
「そうなんですか……。美容師同士で職場恋愛はありますか?」
「結構あるよ。男性の美容師が遊び人で続かないパターンが多いな。店の雰囲気悪くなるから、職場恋愛禁止にしてる店もあるよ。まあ、それでもコッソリ付き合ったりしてるんだろうけどね」
美容師の下積み時代
「美容師さんって下積みが長いって聞いたけど、実際どうですか?」
「美容専門学校が2年、そっから3年くらいが下働きかな」
「最低限の給料で生活するって感じですか?」
「うん、あとは美容師は何かとお金がかかる。まずハサミが結構高い。1本10万くらいするやつを最低4.5本は持ってるよ」
「このハサミ、そんなにするんですか! すごっ」
「半年に一度は研ぎに出すから、そこでも数万円くらいは飛んでいくし。他にも新しいヘアカラーやヘアワックスが入ったら自腹で試したりって、若い頃はカネなかったなあ……」
「美容師さんって、歩合制なんですか? お客さんがついてナンボみたいな?」
「この業界は基本歩合制だね。うちも基本給15万円で、あとは歩合。多いヤツだと月に40万円持って帰るヤツもいるよ」
「月に40万円なら、結構アツいですね」
「まあ、ふつうの会社みたいにボーナスはないけどね」
成功する美容師とは?
話は、タカさんなりの成功哲学へと進んでいく。
「だいたい、美容師の専門学校出ても7.8割は辞めるよ」
「専門学校って、言っちゃ悪いけどお金出せば入れるイメージ……」
「その通りやな。卒業しても接客術とか学ぶことは山ほどあるし。ファッションや華やかな世界の憧れだけで入ったヤツはだいたいやめていくね」
「そうなんですか。そういえばタカさんはなんで美容師になったんですか?」
「俺は元々美容師志望じゃなかったのよ。高校卒業してブラブラしてて、20歳で工場に勤めたんだけど、3ヶ月でやめちゃった(笑)。それでたまたま美容室の下働きに潜り込んだんよ」
「あっ、そうだったんですか。初めから美容師目指してたんじゃないんですね」
「そっから、資格とったらって言われて専門学校通って、25歳の時には店長任せれてたな」
「はやっ! 出世早っ!」
「人よりもスタート遅かったし、美容師に憧れて入ったヤツらよりはゼッタイ負けたらアカンって思ってたから、必死で勉強したね」
「やっぱり、努力こそ才能ですか!」
「あとは、仕事を楽しめるかどうかも大事。娘にも言ってるよ『お父ちゃんは仕事楽しんでるから、〇〇ちゃんも楽しみながら勉強するんやで』って。努力を苦にしなければその分成長のスピードが早くなる」
「逆に辞めちゃう人の特徴とかあります?」
「うーん、結局『覚悟があるかどうか』じゃない? 銀行も同じやろ? 多少才能がなくても『なんとか生き残ってやる!」ってハングリーなヤツの方が、最終的に勝つ」
「その通りっすね。僕も20代の頃はかなり勉強して、仕事もした自負があります」
「それが、今の君の自信にもつながっているハズやで」
「今後の野望とかあります?」
「飲食店経営したいね。この辺って京都の中心から離れてるから娯楽がないし、そういうのを変えていきたい」
「いいですね! 食べに行きますよ」
「焼肉屋とか、バーとかやりたいな。なぜなら俺が好きだから(笑)」
「ほんと、タカさんって人生楽しんでますよね」
まとめ
女性巧者は女心を知る。
「女性よりも女性らしく」これはまさにモテたいと思う男子には金言でしょう。
華やかに見える世界でも、地道な下積みがある。
好きなことで生きる。あるいは得意なことで生きる。
40歳のタカさんですが、常に時代の先を行っている。そんなことを思いました。
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