第3回目は夕凪もぐらさんです。
コメディタッチなものから切なくやられる系まで、色々と作品がござます。読み手を自らの世界観に引きずり込む様はまさに一級品。コメディをうまく書ける方は少ないので、そういう意味でもこれからが非常に楽しみな作家さんです。
ちなみに、8歳の幼女……らしい。信じる信じないはアナタ次第(笑)ほんとユニークな方です。
コメディからシリアスまでなんでもござれ! 土竜はいつか天駆ける龍となる!
まずは、究極の飯テロコメディをご案内
*ちなみに上記2枚のイラストはあっきコタロウ様 作
<あらすじ>時は平成、世は飽食の時代。
ラーメンデモクラシーを掲げる一人の革命家の失踪により、歴史の天秤はグルメ維新派に傾きます。
極上コミカルなラーメンガールと、秘伝シニカルな狂言回しの二人が、隠し味の愛を両手いっぱいに引っ提げお贈りする、奇妙奇天烈摩訶不思議な聖夜のラーメン奇譚。
ラーメンデモクラシーって何やねん(笑)という細かいツッコミは無しで。この辺が読者を物語の世界に誘い込むモグラ文学の真骨頂なのですよ!
一口スープをすすれば……いや三行読めばアナタはこの小説のトリコになりますぜ。そして読了後は思わずラーメンを「ずびずばー」とすすりたくなるはず。そして、ヒロインのラーメンさんはひたすらにカワイイです。
音楽と文学、奇跡の融合
<あらすじ>好きな物を順に挙げれば、僕はお酒の次に映画が好きで、音楽が大嫌いである。
あの日、僕は禁じられたロックンロールってやつに魅せられ、ペンでも剣でもなく、水色のストラトキャスターを引っ提げ、騎士となり歌姫に忠誠を誓ったのが間違いの始まりであった。
ここでは私のお気に入りのシーン。主人公がヒロインであるアケミの歌声を初めて耳にする箇所を引用させていただきます。
まだ幼さの残る垢抜けない彼女は、余裕綽々でリズムに合わせ身体を揺らす。
そして長めのイントロが終わり、彼女が口を開いたその瞬間、信じられない圧が空気を伝わり僕の鼓膜を強打する。
脳の芯が撃ち抜かれたような錯覚に陥り、ぞわぞわと全身の肌が粟立った。
それは十七年弱生きてきた中で最も衝撃的出来事であった。他のメンバーと目配せしても、皆意見は同じようだ。
時に激しく、時に優しく、彼女の歌声は様々な顔を見せる。僕のコードが次を導けば、歌声の旋律は、五線譜の中で最良を辿って着いてくる。
僕たちは完全にこのクソ生意気なジャリに圧倒されたのだ。
(以上引用終わり)
どうですか? 稀代の歌姫の美声が文字を通して我々にも伝わってくるような気がいたしませんか?
もぐらさんも「文学って言ってるのに、音と映像、文学に反するものをテーマに書きまして、自分なりに文学というものに反発してみました」とおっしゃっています。音と映像、文学をそれぞれに磨き上げた結果、高いレベルで融合されているように感じられるのは、私だけではないはずです。
他にも、学生の青春をコメディ節満載で描いた『ロケット花火ウォー』、近年の恋愛学理論に一石を投じた作品『モテる男になる為のレポート』もオススメです。
では、もぐらさんへのインタビューをご紹介いたします。
■創作をするようになったキッカケは?
ふと時間が出来て、電子書籍よく読んでました。よく使う電子書籍のショップのリンク一覧の中に、投稿小説のサイトが1個混じってたのが、きっかけかもです。 その他だと小学生の時、RPGツクールでゲームを友達と作っていたこととか。
■どんなことを考えながら創作をしていますか?
書きたいシーンや、一文、テーマ、それに肉付けしていきます。 そんで大体それがボツになって、自分の中で蓄積されていき、溜まったものをまた別のものにくっつけて、その集合体が小説になります。 だから今考えてることと、前に考えていたことのミックスがよく小説としてリリースされます。
■今後の夢、野望など
◯長編を完結させ、こっそり公募に出していきたい。 ◯楽しく書きたい。 ◯創作を通じて知り合った友達を大事にしていきたい。
文学以外に音楽やサブカルチャーにも造詣が深い方で、もぐらさんのギターと歌声をコッソリ聴かせてもらったことがありますが、耳と体と魂がジーンと痺れるくらいカッコよかったです。あれで私は完全にもぐらさんの舎弟になりました(笑)
夕凪もぐらさんは、ツイッターのオフィシャルアカウント をお持ちですので、一度覗いてみてはいかかでしょう。
もぐらさん、ご協力いただき本当にありがとうございました。
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