第15回目は石川翠(いしかわみどり)さんをご紹介いたします。
投稿サイト「小説家になろう」で活躍中の女性作家さんです。
文章も優雅で気品あふれるお方。そして活動報告が面白い人です。「イジると面白さの本領をさらに発揮する」(私の師匠談)なのですが、畏れ多くてまだイジり倒したことがありません(笑)
少女漫画が好きな人は、ぜひ石川さんの作品を読んでいただきたい!
もくじ
華やかにして王道! 中華風恋愛絵巻
<あらすじ>翡翠のように美しい瞳をした西国の王。白皙の麗人として名高い王には秘密があった。国王は性別を偽り、男装の麗人として西国を治めていたのだ。孤独な王を支えるのは、東国から来た男。けれど男にも、西国の王には伝えていない秘密があった。お互いを思うがゆえに、二人はすれ違う。伝えたいのは、ただ一つ。愛しているというその想いだけ。
石川さんの代表作。王道恋愛モノです。登場人物の服装の描写まで非常に丁寧に描かれていてイメージが綺麗にわいてきます。また女性の心乱れるさまも優しいタッチで美しく描かれています。
中華風の世界観と、少女漫画のような様式美、そして地の文でがっつり語るという石川さんの好みを詰め込んだ作品だそうです。当初男の正体が不明なのも物語にひきこまれる!
そして遊び人から一途な人へのジョブチェンジが性癖の石川さん(笑)そういう男性がお好みなんですね、さらに男装の麗人(真面目で不器用)、したたかな気の強い美女が活躍する恋愛絵巻。
やっぱり、創作は楽しくが一番! 自分の好きを詰め込むのが一番!
そう感じさせてくれる意欲作。
百花の先駆けをゆく 気高き梅の物語
<あらすじ>三年前、そうとは知らぬまま東国の王を助けた妓女の香梅(シャンメイ)。男は恋仲であった別の女と祝言を挙げていたが、彼女は未だにその男のことを忘れられずにいた。雨の降りしきるある日、三年前の礼をしたいと見知らぬ男が楼閣を訪ねてきて……。意地っ張りで素直になれない女と、不器用で言葉の足りない男が織りなす恋物語。
上記の『龍の望み 翡翠の夢』の続編です。石川先生の本領発揮とも言えるジレジレ恋愛モノ。
姉貴が持っている少女漫画をコッソリ盗み読むようなドキドキ感が得られます。
前作で大人気だった妓楼の女性、香梅(シャンメイ)が主人公。不幸な生い立ちや、花街に生きる辛さ、でもその中にも気高い部分や女性らしい一面もあって、素直になれないというか……そこがいいっ! なんか健気すぎるぜ!
(ちなみにスイカップという設定らしい……私もぜひ顔を埋めて……)
*上記の素敵なイラスト3点はあっきコタロウさんからご提供いただきました! ありがとうございます!
失われた世界で、しっとりと奏でられる登場人物達の独白録(モノローグ)
1話完結型の短編集です。
特定の文字を入れないリポグラムなど、制限付きの作品を書いています。
基本的に掌編なので、隙間時間にどうぞ。
私のオススメは『「さしすせそ」消失事件』 。「さ」「し」「す」「せ」「そ」「ざ」「じ」「ず」「ぜ」「ぞ」を使用してはならないという厳しい条件の中で綴られるストーリー、ミステリー掌編と思いきや最後にクスリとさせてくれます。
文字が欠けている分、逆に足りないものが浮き上がってくるような至高の作品集。リポグラムという制限による不自由さが、作品の面白さに見事に繋がっています。
試験には出ないけど、面白い中国語エッセイ
中国語初心者の石川翠の、中国語学習の記録です。
家庭教師は、20歳の美人女子大生。ただし『腐女《funu》』(=腐女子)。
中国語初心者の作者は、軽度の『宅女《zhainu》』(=オタク)です。
(作者は数年間、中国上海に住んでいたことがあります)
ワタクシうたのは実は、大学時代の第二外国語は中国語でして……
漢字使ってるし簡単そう、って思うでしょ?
ところがどっこい、同じ漢字でも日本語と中国語で意味が違ったり(ヘタしたら国際問題に発展するかも 笑)、何より発音が難しいんですよね。そんな所も含めてユーモラスに、かつわかりやすく綴ってらっしゃいます。
後半は石川さんの上海在住時代の思い出や現在の中国のお話がメインになっています。とりあえずヤバイな中国の病院事情。
石川翠さんへのインタビュー
では、石川翠さんへのインタビュー記事をご紹介します。
①創作するようになったキッカケ
感想を書くために、なろうにユーザ登録したのがきっかけです。長い間読み専でしたので、まさか自分が創作を始めるようになるとは思ってもいませんでした。
②どんなことを考えながら創作していますか?
特にないのですが、しいて言うなら自分の気持ちに正直に創作しています。書きたいときに書き、読みたい時に読む。気持ちがのらない時には無理をしません。そのため、今でも基本的に読み専寄りの活動をしています。
③今後の夢、野望など
これからも自分らしい作品を書き続けていきたいですね。またレビューをコツコツ書いていますので、石川が紹介するのなら面白いだろうと信頼してもらえるレビュアーになりたいです。
石川さんは「小説家になろう」の他の作者様へのレビュー(書評)をなんと273作品書かれておられます!(2018年7月22日現在)。私の知っている限り1番です。ちなみにかつてレビュー職人を自称していたうたのがせいぜい30弱くらい。
そして感想も、丁寧に作品を読み込んでらっしゃるものばかりで。いただくとむっちゃうれしいぜ! 良き読み手は良き創り手。そんなことを思い起こせてくれる作家さんです。
あとはね……大人の小説も執筆されているという情報も……(やっべえ怒られるかな? 興味のある方は調べてみては……濃厚注意!)
石川さん、ありがとうございました!!
『恋は歌声とともに』……あっきコタロウ先生と世界観を共にした恋愛ストリー
石川先生と仲良しの作家さんはコチラ↓ 『恋は歌声とともに』、『そしてふたりでワルツを』はいずれ特集を組みたいと密かに思っています。
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