もくじ
いつかこのライブが、伝説になることを願って
4月1日に大阪で行われた、女性シンガーソングライター美波さんのライブに行ってきました。
正直ね……どこまで書いたらいいか悩むんですよ。ネタバレとか著作権うんぬんもあるんですが、恐らくこのライブは美波さんにとって不完全燃焼だったのではないかと思われます。
本人にとって記事にするのは良くないことかもしれない。
でもね、そういった美波さんの悩みとか苦しみとか、それでも届けてくれた歌の素晴らしさとか、そういったものを一人でも多くの人に知って欲しい。
いつかきっと、この日のライブが伝説になる……そんなことを願いながら記してみます。
久し振りのライブハウスへ
ライブ会場は、大阪市西区にあるライブハウス 南船場Knave。
最近、ミスチルやらmiwaさんやら、大物アーティストのライブばかり行っていたので、こうやって薄暗い階段を降りていって下にステージがあるライブハウスというのはほんと久し振りでした。
キャパは約230人。私は整理番号104番でちょうど真ん中くらいだったのですが、それでもステージまでの距離、約5メートル、ち、近い!
あとはね、30代も半ばに差し掛かった身としては、オールスタンディングというのは結構キツイ(笑)足と腰にくるんですわ。最近はランニングをしているせいか以前よりはだいぶマシになりましたが……
ステージの後ろに掲げられた「勘弁してくれ時代の波」というバナー。
ライブタイトル「ETERNAL BLUE」の通り深海をイメージした青色の照明、そして潮騒の音がスピーカーから流れていました。
美波さんについに会える!
そして、待つこと約40分。午後6時、時間通りに美波さんがギターを抱えて登場!
生の美波さんだ! すげえ! セクシー系だと思っていたのですが、近くで見るとお嬢様系の顔立ち……女性っていくつもの顔を持っているのね。
でも、何やら美波さんの様子がおかしい……
もしかして……泣いてる??
冒頭、美波さんはすすり泣きながら
「美波が美波であることを曲げるつもりはないけど……、もし私が間違った道にそれてしまったら、『それはちげぇだろ美波!』って教えて欲しい」そんなことを言っていました。
偉い大人に、
「今のバンドメンバーは下手クソだからやめとけ、そんなのとつるんでたら自分の価値が下がる」と言われたそうです。
(数日前に今のバンドメンバーでライブをやるのが今回が最後という告知があった)
美波さんには、この人達と音楽をやっていきたい、そんなメンバーにやっと出会えた。この人達と一緒にメジャーデビューする。そんな熱い思いがありました。
偉い大人からそれを全否定されて、ここ数日、だいぶ荒れていたようですね。
「何がメジャーデビューだよ!」
「この世界って、ほんと汚えんだよ……まったく、何がメジャーデビューだよ!」
そんな想いを吐き出したあと、オープニング曲の『アスター』という曲を弾き語り始めます。
アスター 君は僕を信じてくれますか?
何度 何度 地面を見て歩いたことでしょう
明日 僕がここで歌を歌ったりしたら君は僕を怒りますか?美波 『アスター』
本調子ではないのかもしれないけど、想いを訴えかけるような力強いギターと、聴くものを魅了する歌声はやはり健在。
どうやってストロークしてるのかちゃんとみたかったなあ。なんせ狭いライブハウスなので、距離は近いんだけど、美波さんの顔がようやく見える程度。
そのあと、「ねえ先生、あのね私 答えの決まった数式よりも もっと知りたいことがあるの」というサビの部分が印象的な『先生、あのね』。
感情高らかに歌い上げる美波さん。
そしてボカロ曲のメドレーを経て、ギター(おっつー)、ベース(かずま)、ドラム(たかしみ)の3人のメンバーが登場。
合間のトークでも、美波さんが大阪駅に着いてすぐにおしっこがしたくなって、慌ててトイレに駆け込んで個室のドアを開けたら、先に入っていた女性がパンツを下げて座っていてそれをバッチリ見てしまった、紫色だった……という感じでMCも絶好調(なんか文字に起こすと面白くないなあ、会場では受けてたんですよ。いつものツイキャスのノリですね 笑)
バンドメンバー紹介でも、
ギターのおっつーが
「大阪で食べたもの……たこ焼きと……あとたこせんべい食べた」
美波「タコばっかりやないかい!」という的確なツッコミ。
ベースのかずま氏は2歳まで大阪に住んでいたということで
「これは期待できますね」という美波さんのフリに対して、まさかのポーカーフェイス。
ドラムのたかしみさんは
「大阪に来て思ったこと? ああ大阪だ! って思った」
美波「なんだそれ、他になんかないの?」
たかしみ「あっ、エスカレーターが左側を空けてた」
美波「あー、ありきたりすぎてつまんねー」
どうやら、お笑いの激戦区関西で通用するのは美波さんだけのようです……
圧巻の『Monologue』!
そして、バンド曲の始まり。今回私が一番聞きたかった『Monologue』を熱唱。小さいライブハウスに響き渡るドラムとベースの重低音。おっつーのギターソロもカッコよく決まってました。
美波さんのマネージャーさんが一番好きな曲とのこと。しっとりと弾き語る『ハル ~あと3センチメートルの冬~』。
あとは、ボカロ曲の『ロキ』ステージを跳ね回りながら、ギターのおっつーと抜群のコラボをする美波さんが印象的。ほんと、楽しそうに歌ってましたね。
ライブも終盤に入り、美波さんが
「ここで、みなさんを水中へご案内します」
会場の照明が少し暗くなり、そして深い青のライトが辺りを照らす。『水中リフレクション』。
そして今回のライブタイトルにもなった『ETERNAL BLUE』……
会場のボルテージも最高潮に!!
(ライブに慣れてない人が多かったのか、タオルのフリとか少し観衆がノリについていけてない気がしましたが……これからファンも一緒に成長していくんですよね!)
圧巻のステージを終え、美波さん、そしてバンドメンバーがいったんステージ袖へ引き上げていきます。
アンコール中に、予想もしなかった悲劇が起こる
まあ、当然、アンコールあるよね。という感じで会場は手拍子が始まる。
でも、なかなか、美波さんは出てこない。
体感的に10分くらいは経っただろうか……ようやく美波さんが登場。アレ? でもなんか様子がおかしい。
この曲? 正直日記だよな? なんかイントロが短いような……
歌い出す美波さん……声が震えている……やっぱり、溢れ出る思いがあるんだろうか……
あぁなんでこんなことしてんだろ僕
あぁなんで あいつばっか あいつばっかでさ
もう僕の限界だよって
あぁまたこんなこといっちまったなぁ美波 『正直日記』
途中で詰まりながらもなんとか、『正直日記』を歌いきった美波さん。
そして、美波さんが突然視界から消えた。
アンコールって、一曲だけなのか……そんなことないよな? 一緒に来てたフォロワーさんと共に首をかしげる。
前の方は、なんかざわついてる。美波さんがどうやら倒れたらしい。過呼吸とかそんな感じか? インフルエンザ完治から一週間経ってないのも影響しているのかも。
しばらくして、スタッフから
「本日はお集まりいただきありがとうございました。美波さんが体調不良のため本日のライブはここまでとさせていただきます。また、本来ならば美波さん本人からサイン入りCDを手渡しする予定でしたが、スタッフからの手渡しとさせていただきます」とのアナウンスが流れた。
それでも、美波さんは呼吸を震わせながらその場に倒れたまま(だったらしい。私は見えていない)
ギターのおっつーも泣きながら
「ここまで美波はつらい思いをしてきた……抱え込んでた……そんなこいつの音楽をこれからも支えていってやってくれ! 」
そう、観衆に語りかけた。会場からは拍手が起こる。
そして、美波さんはスタッフに肩を抱えられながら、ステージ袖へと引き上げていった。
■セットリスト
- アスター
- 先生、あのね
- ボカロメドレー
- Monologue
- MC
- 海と夏と君と
- issue
- ハル ~あと3センチメートルの冬~
- MC
- ヒバナ バンド紹介ソング
- ロキ
- MC
- 水中リフレクション
- ETERNAL BLUE
- (アンコール)
- 正直日記
- main actor
- Prologue
*最後の2つは美波さんが体調不良のため歌えず
以上が、4月1日に私が体験したことです。
なんせスタンディングで疲れていたので、ちょっと記憶があやふやな部分もあり、もし違うよっていう指摘があれば教えていただければと思います。
正直、main actor とか Prologue 聞きたかったなって思いもあるし、本人さんからCD手渡ししてもらって
「応援してるよ、貴女がいいと思う道をそのまま進んで欲しい」って伝えたかった。
でもまずは美波さんの体調が最優先で、またツイキャスで元気に「クソヤロウ!」と叫んで欲しい。元気な美波さんが見れるのを待ってます。
2月21日での渋谷Eggman でのライブが「メジャーデビューだ! 突っ走るぜ! イエイ!」という美波さんの『旅立ち』の物語だとすれば、今回の大阪のライブは『試練』の物語であるとも言えます。でも思い悩んだことは、きっと糧になるはずだし、いつか懐かしく思う時がくるはず。
美波さんは中学の時に、尾崎豊のライブ映像を観て衝撃を受け、ギターや創作活動を始めるに至ったそうです。
こういう音楽とかロックって反体制を行くものだと思うんですよ。
美波さんだったら、汚い大人とか純粋な若者とか、そいつらみんなまとめて黙らせるようなそんな音楽を届けられるはず。
時代の波に飲まれようとしている若者を代弁する、そんな希望の星になってくれるんじゃないかな。
それでも世の中ってまだまだ捨てたもんじゃないし、やっぱり大人がいいビジョンをを描けないと、次の世代に伝わっていかないから。
だから子どもや若い人に夢を与えられるように、私も日々頑張っていこうと、そんな思いが湧き上がってきました。
今度はもっと、ハジけさせてくれ!
もっと見せてくれ、キラキラ輝く美しい波を!
負けるな! 美波!
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